親の介護で準備しておきたいこととは?|国の補助を活用して負担を減らす

介護や医療に備える

介護の費用は総額500万円近くかかることも

自分を育ててくれた両親の老後は出来る限り支えたいもの。

しかし、介護の負担は想像以上に大きく、介護疲れから家族の仲が悪くなるかもしれません。

介護による不要なトラブルを避けるためにも、親が元気なうちに介護の計画を立てておきましょう。

介護を支える公的保証のひとつに介護保険があります。

医療費の自己負担額が3割になるように、介護保険を利用することで介護の費用の負担を1割や2割、3割に減らすことができます。

年齢や家族の収入によって介護保険の適用範囲が違うので注意しましょう。

親の貯金額を把握しておくことも大切です。

自分の生活資金を切り崩しながらの介護で共倒れという事態を避けるためにも、介護費用は親に出してもらうのが基本となります。

また、介護施設と在宅サービスのどちらを利用するのかを事前に決めておきましょう。

特に介護施設は空きがないことも多いので、候補をいくつか用意しておくといいでしょう。

介護保険を利用するためには、国の要介護認定を受けなければなりません。

要介護認定はその人の身体がどのような状態で、どれくらいの介護が必要であるかを全7段階で判断します。

認定されたレベルに応じて、受けられるサービスや介護費用の支給限度額が異なります。

一般的に両親の介護を行う期間の平均は4年7ヶ月、費用の平均は月78,000円とされていますので、介護にかかる費用は大体429万円、初期費用も合わせると500万円近くが必要になります。

負担を減らすためにも介護保険を活用しましょう。

介護にはお金だけでなく時間も必要になります。

しかし、介護のために仕事を辞めてしまっては、生活費やその後の将来に支障が出てしまいます。

そこで、仕事と介護の両立を支える国の制度を活用しましょう。

介護休業制度や介護休暇制度と呼ばれるこれらの制度は、家族の介護のために休職や勤務時間の短縮を認めるもので、期間中の収入を保障してくれます。

元気なうちに準備しておきたいこと

1.介護保険に加入して介護の負担が1割になる

介護保険によって介護費用の自己負担額が軽減されます。

基本は1割負担になり、自分や家族の所得に応じて自己負担の割合が2割、3割と増加します。

保険料の徴収は40歳からです。

2.介護費用は親自らの負担が基本

介護の費用は可能な限り親の資金から出すようにします。

認知症等により預金口座等の暗証番号がわからなくなってしまう恐れもあるので、介護を検討し始めた段階で親の資産等の確認しておくと安心です

3.介護サービスの検討

国民の高齢化により、空きに余裕のない介護施設や在宅サービスが増えています。

在宅が施設か前もって決めておき、利用する施設の候補もいくつか準備しておきましょう。

4.介護の始まり

介護のサービスはすぐ受けられるわけではありません。

利用を始めるためには、各市町村に要介護認定の申請を行う必要があります。

介護の計画書であるケアプランの作成もしてもらいます。

介護が必要になったら

期間

平均4年7ヶ月

費用平均

月78,000円初期費用平均690,000円

参考:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年度)

1.要介護認定を申請

介護保険を利用するにはまず申請します。

7段階の要介護認定ごとに1ヵ月あたりの支給限度額が決まっています。

限度額内の自己負担は1割(一定以上の所得がある人は2割)で、超えた分は全額自己負担となります。

身体の状態の目安

居宅サービスの

支給限度額(月)

要支援1

日常生活動作はほぼ自分で行えるが、要介護状態への進行を予防するために家事全般、金銭・服薬管理など複雑な動作への支援が必要な状態

50,030円

要支援2

生活の一部に部分的に会場を必要とする、機能の維持・改善のために何らかの支援が必要な状態

104,730円

要介護1

歩行や起き上がりなどに部分的な介護が必要な状態

166,920円

要介護2

排泄や入浴などに部分的な介護が必要な状態

196,160円

要介護3

立ち上がりや歩行が自力ではできず、排泄や入浴、衣服の脱着などにもほぼ全面的な介護が必要な状態

269,310円

要介護4

介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態

308,060円

要介護5

意思の伝達も困難になり、介護なしには日常生活を送ることが不可能な状態

360,650円

参考:2017年厚生労働省 – 区分支給限度基準額 (参考資料)

2.公的制度を利用

自分が介護することになったら、仕事を辞めなくても済むように公的制度を最大限に活用します。

公的制度には開放期間中の給食、時短勤務、残業の免除等を認めるものがあります。

介護を行う自分の生活を守ることも大切です。

うまく活用して介護と仕事の両立を図りましょう。

40歳から64歳は適用範囲が違う

40歳から64歳の人は、事故によるケガの後遺症などが原因で介護が必要になっても、保障を受けることができないので注意してください。

 

第1号被保険者

第2号被保険者

対象者

65歳以上

40歳から64歳

条件

要介護・要支援状態となった理由を問わず給付

要介護・要支援状態が、老化に起因する疾病による場合に限定(事故などによる場合は含まれない)

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