会社員と個人事業主の収入はどのような違いがあるのでしょうか?
お金の稼ぎ方について、違いを比較してみましょう。
業務の量も質も管理するのは全て自分の責任
個人事業主(フリーランス)は複数人が働く企業と違って、自分自身の判断で仕事を受注し、納品まで1人で行います。
そのため労働時間や業務の分量などについて、自分の意思で調整しやすいのが大きな特徴です。
業務量を調整して減らすと、当然収入は減ります。
そのため収入を減らさないためには、単価が高い案件を引き受ける、逆にいえば付加価値を提供して高く自分の時間を売れるような工夫が必要になります。
個人事業主としての収入を伸ばすためには、単に労働時間に連動するだけではない、付加価値の高い商品やサービスを提供できるかどうかが肝心となります。
また、好きな時間に自分のペースで働けるのは大きなメリットですが、見積書や請求書の発行、外部への支払い、確定申告での納税の手続きなど事務処理は多岐にわたります。
そのため会社員と比べて、労働時間は必ずしもいるとは限りません。
また、収入金額の捉え方も会社員と個人事業主は別です。
個人事業主はパソコンを使った自宅でのデスクワークでも、打ち合わせときの交通費、ソフトや事務機器の購入費用、仕事場所である自宅の光熱費など、さまざまな経費がかかります。
これらのほか、会社員なら会社と折半の社会保険料も自分で全額納付します。
仮に経費を年間50万円とした場合、売り上げが年間400万円とすると、手元に残るお金は約267万円となります。
会社員と違って個人事業主や法人ではないので、厚生年金ではなく、国民年金の加入となります。
保険料は安い一方で、将来受け取る年金は厚生年金と国民年金(基礎年金)の両方が受け取れる会社員と比べると少なくなります。
個人事業主は売上だけでなく、必要経費等をどのように設計するかも考えながら、すべての収支を管理します。
この点も会社員と大きく異なるところです。
個人事業主は自分の判断で働ける
1.仕事(案件)を選べる
○案件の例
個人事業主は案件に応じて必要な時間(工数)を把握し、最大限利益を伸ばせるように検討しなければなりません。
自分ひとりの場合、割ける時間は限られているため、ときにどの案件を引き受けるかという判断も重要になります。
2.時間も自分で調整できる
○個人事業主と会社員のスケジュールの違い
会社員と個人事業主は収入の内訳が違う
個人事業主 |
会社員 |
|
事業経費 |
約50万円 |
|
年金保険料 |
約20万円 (国民年金) |
約37万円 (厚生年金) |
健康保険料 |
約30万円 |
約21万円 |
雇用保険料 |
- |
約1万円 |
所得控除 |
103万円 (基礎控除+青色申告特別控除) |
172万円 (基礎控除+給与所得控除) |
所得税 |
約10万円 |
約8万円 |
住民税 |
約20万円 |
約17万円 |
個人事業税 |
約3万円 |
- |
手取り額 |
約267万円 |
約316万円 |
会社員と個人事業主は同じ400万円の収入でも、手取り額が異なります。
それを大まかに示したのが上の表です。
最も大きな違いがあるのは、事業経費です。
机とパソコン1台でできる小規模な事業であったとしても、ソフトウエアの購入費や交通費、通信や光熱費など、雑多なコストが発生します。
これは会社員として働いている場合は会社が負担してくれる費目がほとんどであるため、差が出やすい部分となります。
また、社会保険料は会社が折半で負担をしてくれるため、基本的には会社員のほうが安くなる傾向があります。
一方、年金保険料は会社員の厚生年金の方が高くなりますが、収入はほぼ同額の場合は、将来の受取額は国民年金と厚生年金の2階建てである会社員のほうが高くなります。
また、会社員は給与所得控除があり、年収400万円なら124万円の控除が適用されます。
個人事業主の事業経費が50万円程度なら、所得控除額は会社員の方が大きくなります。
以上を踏まえて手取り額を比較すると、年収400万円での試算では約50万円の差がありました。
事業経費等の金額にもよりますが、同じ収入の場合は一般的には会社員の手取り額が大きいといえます。
(参考)青色申告で最大65万円の所得控除
確定申告は白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告が複式簿記での記帳が必要ですが、特別控除として最大65万円もの控除(所得を減らせる)が可能です。
税理士に依頼する場合もあります。
届け出するだけで税金が安くなるので大きなメリットになります。
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