マネープランを立てる|理想の支出バランスを踏まえたプランとは?

お金の基本

貯蓄を増やしていくための理想の支出バランスは?

長い人生には、いろいろなステージがあります。

まだ若く収入も少ないけれど自分の支出だけで済む20代シングル、結婚して家族ができ子育て費用がかかる30代~40代、子どもが独立し仕事も引退して年金で暮らす60代。

それぞれのステージに合わせて支出バランスや貯蓄割合は変化します。

また同じライフステージ上にいても、考え方や住んでいる場所、子どもの数などにより、支出バランスは人それぞれです。

とはいえあまりにもバランスが悪いと貯蓄を増やしていくことができません。

下図はライフステージ別の支出バランスの例です。

【ライフステージによる平均的出バランスの例】

働き盛りの世代は子どもの教育費、高齢になると医療費が必要になるというように、ライフステージによって支出バランスが変化します。

ライフステージに応じてマネープランも調整しましょう。

平均的支出バランス

出典:総務省「家計調査(男女,年齢階級別)」「家計調査(世帯主の年齢階級別)」(2020年)をもとに算出

これはあくまでもひとつの例です。

自分の家族構成やライフスタイルなどを考慮して、適正な支出バランスを見極めましょう。

支出バランスを書いてみる

まずは現状の支出バランスがどうなっているか、この表に費目ごとの年額と割合を計算して記入してみましょう。

支出バランスシート

費目

年額

割合(※)

住居費

%

通信・光熱費

%

食費

%

娯楽費

%

教育費

%

保険料

%

医療費

%

その他

被服費

%

日用雑貨費

%

車関連費

%

上記以外

%

支出合計

%

貯蓄

%

※各費目÷手取り収入

貯蓄は無理せず積み重ねが大切

現状をもとに、自分の場合の理想の支出バランスを考え、それを実行できるか、取り組んでみることが第一歩です。

ただし、理想と現実がかけ離れすぎていると、無理をして挫折することになりかねません。

人生には比較的貯めやすい時期、支出がかさんでなかなか貯められない時期があります。

どんな時期でも、その時々に可能な範囲で貯蓄を続けることが大事です。

少額でも積み重ねればだんだん増えていきます。

そもそもお金を貯めるのは、将来使いたいお金、必要となるお金を準備するためです。

節約一辺倒ではなく、ときには自分にご褒美を与えて、楽しみながら続けましょう。

マネープランは自己分析からスタート

現状があまりにも平均的支出バランスとかけ離れているときは、突出している支出はないか、無意識に使っている支出はないかなど理由を分析します。

たとえば、スマホの料金が高すぎるならプランやキャリアの見直しをするなど、一度、自分のこだわりを捨てて、客観的に考えてみることが大切です。

何にいくらぐらい使っているのか

国が毎年行っている家計調査データは、一般的な家計簿とは項目が少し異なりますが、参考になります。

年齢別のデータを紹介します。

2人以上の勤労世帯(年齢は世帯主)

 

~34歳

35~39歳

40~44歳

45~49歳

50~54歳

55~59歳

消費支出合計

263,866

268,708

299,230

335,830

345,357

331,435

内訳

食料

63,114

74,906

81,029

84,982

84,457

82,383

住居

33,945

17,654

17,326

16,443

17,301

16,766

光熱・水道

17,828

19,492

21,172

22,507

22,754

23,295

家具・家事用品

12,143

13,228

13,125

14,193

13,409

14,745

被服及び履物

10,122

11,964

11,941

12,455

11,379

10,091

保健医療

11,718

10,837

11,167

12,800

13,377

14,457

交通・通信

47,736

41,007

49,309

53,025

54,331

56,463

教育

4,315

10,768

18,543

30,572

33,159

15,694

教養娯楽

22,665

27,712

30,143

30,462

27,801

26,381

その他の消費支出

40,279

41,140

45,475

58,392

67,390

71,159

手取り

(可処分所得)

466,106

505,438

525,283

548,394

557,002

552,970

黒字

202,241

236,730

226,053

212,563

211,644

221,535

(単位:円)

出典:総務省「家計調査(世帯主の年齢階級別)」(2020年)より作成

注)項目ごとに平均値を求めているので、合計額が合わない場合もある

【家計調査データについて】

上表の数値は全国平均のものです。

手取り(可処分所得)は収入から税金や社会保険料を引いたものをいいます。

また、交通費には車の維持費が含まれ、その他の消費支出は交際費や使途不明金などが含まれます。

なお、調査に回答した人の平均値のため、金額が高めに偏ってしまう点に注意しましょう。

黒字額に関してはすべて貯蓄に回っているわけではなく、一部は保険料の支払いや借入金の返済に使われていることに注意しましょう。

最後に住居費に関して、上表の数値は、少ないように思われますが、これは家賃や住宅の修繕・維持費の合計となっています。

家賃を払っていない人も含めた平均値なので、いわゆる家計簿の住居費は金額に差があります。

また、住宅ローンの返済は消費支出には含まれていないので注意が必要です。

参考までに、2人以上で暮らす30代の住宅ローン返済世帯のデータも紹介します。

住宅ローン返済がある世帯(二人以上・勤労世帯)

 

30~39歳

消費支出合計

265,555

内訳

食料

74,770

住居

6,047

光熱・水道

19,890

家具・家事用品

14,135

被服及び履物

11,724

保健医療

11,479

交通・通信

46,435

教育

10,528

教養娯楽

29,134

その他の消費支出

41,413

手取り

(可処分所得)

532,661

黒字

267,105

(単位:円)

出典:総務省「家計調査(住宅ローン返済世帯-世帯主の年齢階級別)」(2020年)より作成

注)項目ごとに平均値を求めているので、合計額が合わない場合もある

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