【ここがポイント!】
- 外貨預金は為替変動が利益になる
- 金利差によってインカムゲインも狙える
- 手数料負担が大きいため売買時のレートに注意
外貨預金で得られる2つのリターン
海外への投資では、外国企業の株などのほかに、海外の通貨そのもの(外貨)を取引することもできます。
その点で、外貨預金は最も手近な商品といえるでしょう。
外貨の運用では外貨専用の口座が必要になりますが、銀行に行けばすぐに口座が作れますし、資産額の管理も売買もインターネットで簡単に行うことができます。
少額で始めたい場合には、外貨を積立方式で買っていくこともできます。
外貨預金は預金という名前がついている通り、基本的なしくみは円預金と同じです。
円預金が、円をそのまま預けたり引き出すのに対し、外貨預金は、円を外貨に交換した上で預けたり引き出したりするという点に違いがあります。
重要なのは、その時の為替レートです。
為替は株価などと同じように常に変動しますので、その値動きによって利益が生まれます。
たとえば、米ドルで預金する場合、1ドル= 100円の時に預け入れ、110円に上がったときに円に戻すと、1ドルにつき10円の利益が得られます。
10万円の外貨預金であれば1万円、100万円なら10万円の利益が発生するわけです。
このように、ドルに対しての円の価格が上がる状態(例/1ドル=100円から110円)を円安といい、逆に、円の価格が下がる状態(例/1ドル=100円から90円)を円高といいます。
外貨預金の基本は、円高のときに預け、円安のときに引き出す(円に戻す)ことです。
また、円預金はほぼ金利がゼロですので、預けていても増えませんが、外貨の中には金利が高いものがあります。
たとえば、オーストラリアドルやニュージーランドドルの金利は1%を超える場合もありますし、南アフリカの通貨であるランドの金利はさらに高くなっています。
このような外貨を中長期で持つことにより、利息(インカムゲイン)を得ることも可能です。
金利が高い通貨は値動きが不安定になりやすいという注意点もありますが、当面使う予定のないお金を外貨として持つのも有効な投資手段といえます。
【円預金と外貨預金の違い】
円預金も外貨預金も、銀行にお金を預ける点は同じです。
ただし、外貨預金は外貨に交換して預けます。
交換する際のレートは常に変動するため、預けた海外の銀行の方が高金利の場合は、金利で利益が出ます。
【利益が出るしくみ】
米ドル預金をするということは、米ドルを保有するということです。
米ドルの価格が上がる(円安ドル高)と利益が出ます。
実際の売買のレートを確認しよう
注意したいのは、外貨預金する際の手数料です。
銀行には円を外貨に換えるレート(TTS)と外貨を円に戻すレート(TTB)があり、大手銀行の場合、米ドルのTTSとTTBの差が0.5円ほどあります。
ユーロや豪ドル、ポンドなどは1円以上空いていることも珍しくありません。
つまり、米ドルを買う場合は0.5円、その他の通貨の場合は1円以上円安にならなければ利益が出ないわけです。
そのため、外貨預金をはじめる場合は、ニュースなどで耳にする為替レートだけでなく、銀行で実際に売買するレートを確認することが重要です。
また、売買頻度を減らし、手数料負担を減らすといった工夫も重要なポイントといえます。
【手数料に注意】
円と外貨の交換レートは、預け入れ時と払い出し時で異なります。
TTSとTTBの差が0.5円あるため、預金した瞬間は0.5円分の損失が発生します。
0.5円以上円安にならないと(= TTBが 100.5円以上に上がらないと)利益がでない点に注意が必要です。
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