【ここがポイント!】
- 先物取引は将来の売買の契約をすること
- 証拠金を預ける差金決済取引の一種
- 買い、売りの両方で取引をスタートできる
先物取引が扱う商品が豊富
FXは証拠金を使う差金決済の取引ですが、このしくみは他の投資にも使われています。
その一つが、商品先物取引です。
これから投資をはじめる人にとって、商品先物への投資はハードルが高いと感じるかもしれません。
しかし、投資の幅を広げれば、それだけ利益獲得のチャンスも広がります。
将来的に投資するかもしれない可能性を踏まえて、ここではその概要を押さえておきましょう。
商品先物取引は、投資先となる商品が多様である点が特徴で、金やプラチナなど貴金属や非鉄、原油などのエネルギー、大豆やトウモロコシなどの農作物などを扱います。
取引のしくみとしてはFXに似ている点が多いといえます。
たとえば、先物取引で生じる利益と損失は、FXと同じように証拠金に反映されます。
証拠金を使う差金決済ですので、レバレッジをかけることができ、少額で大きな金額の取引ができます。
また、FX取引を行う為替市場のように、商品市場も長時間開いています。
これは、日中働いている人にとってメリットといえます。
株取引が行われる時間(9時から15時)に相場を確認するのが難しい人でも、商品先物の取引であれば夜間や早朝の時間を使い、取引に参加できます。
【商品の価格が決まるしくみ】
先物取引で売買できる商品(貴金属、農作物など)は需要と供給のバランスで価格が決まります。
需給バランスは常に変わるため、取引が成立する値段も変わります。
いまの価格で将来の売買を契約する
先物取引のポイントは、各種商品をいま取引するのではなく、将来の決められた日に、いま決めた価格で売買するという点です。
先物取引は、その契約をすることを指します。
たとえば、現在の金の価格が1グラム5,000円だったとして、仮にこれが半年間で値上がりしていくとすれば、いま5,000円で買う契約をしておくと利益が得られます。
そのような時に先物取引で金を買います。
つまり、半年後に5,000円で買う契約をしておくわけです。
実際に値上がりした場合は、値上がり分が利益になります。
半年後の金価格5,500円になっていたとしたら、1グラムにつき500円の利益が得られるわけです。
逆に、値下がりが予想できる場合にも利益が狙います。
仮に半年後に4,500円になった場合、あらかじめ5,000円で売る契約をしておけば、差額の500円が利益になります。
このように買いと売りの両方向で取引ができることから、商品先物取引は利益のチャンスが広くなるのです。
ちなみに、ここで例に挙げた「半年後」(売る日)のことを限月といい、その日までに反対売買をします。
株は上場廃止になるまでずっと持ち続けられますが、売買の期限が決まっている点が先物取引の特徴です。
【先物取引の特徴】
通常の売買は、お金とモノの受け渡しが同時に行われます。
先物取引は将来行うお金とモノの取引をいまの価格で契約します。
【先物取引の利益・損失】
先物取引は将来の価格変動を見据えつつ、いまの値段で売買契約を行う取引です。
先物を売買したときの価格と限月までに決済した価格との差が利益・損失になります。
【用語解説】反対売買
買った商品を売ること、または、売った商品を買い戻すことです。
先物取引は期日が決まっているため、それまでに反対売買を行い決済します。
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