医療保険は必要か?|必要と考える人の民間の医療保険の活用法とは?

病気やケガに備える

いつからいくらもらえるか入る前に必ず確認

病気やケガで治療受けるとき、公的医療保険から給付を受けられますが、入院が長引くなどで費用がかさむこともあります。

民間の医療保険は、入院や手術で給付金をもらえるのが基本的なしくみです。

実際の医療費にかかわらず契約した金額を現金で受け取ることができ、医療費以外の誕生日など雑費など使い道は自由です。

貯蓄が少ない人は加入を検討してもよいでしょう。

入院日額を選ぶときの目安は5,000円程度で、個人事業主は多めの10,000円程度にすると、入院による収入の減少にもある程度備えられます。

医療技術の進歩で入院期間も短くなっており、それに対応して、入院・手術以外の保障も増えています。

民間医療保険の基本は入院と手術の保障

公的医療保険だけではまだ不安という場合、民間の医療保険に入っていれば、入院と手術の際には給付金を受け取ることができ、安心です。

1.公的医療保険

【健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度】

  • 医療費がかかったときに7~9割が保険から給付される(自己負担は医療費の1~3割)
  •  1ヵ月の自己負担は一定額までで済む

2.民間医療保険

【医療保険・生命保険の医療特約】

  • 契約した内容で給付金が支払われる
  • 入院と手術が主な保障対象
  • 適宜、追加の保障をつけることができる

民間医療保険は、入院1日あたりの給付金額を選んで加入するのが一般的です。

入院給付金(日額×入院日数) + 手術給付金(入院給付金日額×手術の種類による倍率)

3.貯蓄が充分にある場合でも民間医療保険も必要なのか

貯蓄が充分ある場合、医療保険に加入しない選択肢もあります。

医療保険は掛け捨てであることを考えれば、医療費がかさんでも貯蓄で払える場合であれば、医療保険に加入せずに保険料分のお金を貯蓄に回したほうが、使い道自由のお金が残っておトクになります。

ただし、医療保険に加入しないなら、貯蓄額を高額療養費制度の自己負担限度額の1年分(考え方は人それぞれですが100万円)くらいは用意しておきたいところです。

民間保険の医療保険の入り方は2つ

医療保険を目的に単独で単独で入るのが医療保険で、終身保険や個人年金保険などの生命保険に付加するのが医療特約です。

医療保険のほうが掛け替えがしやすく、これから加入するのであれば、医療保険がよいでしょう。

医療保険

保険会社により、さまざまなタイプがある。

入院日額を選択したり、特約を付けたりすることで1本の医療保険で保障額や内容を調整できるしくみのものが多い。

医療保険

10年などの一定期間加入して更新していくタイプと、終身加入するタイプがある

入院給付金

入院1日当たり5,000円などと決めて契約し、入院日数分がもらえる。

ただし、上限60日までなど入院1回当たりの支払い限度がある。

※入院当初の数日間は免責(給付対象とならない)保険もある。

手術給付金

手術の種類によって、入院日額の5倍、10倍、25倍などの給付金がもらえる。

通院給付金

通院後に、その病気やケガの治療で通院した場合、給付金がもらえる。

先進医療給付金

健康保険の対象外だが、厚生労働省が認めた先進医療を受けたときにもらえる。

がん保険

がんの入院・手術に特化した医療保険。

診断がついたときに一時金が出る。

生命保険の医療特約

医療特約は生命保険に付加するもの。

主契約の生命保険を解約したら特約もなくなるので注意。

入院特約

入院したり、手術をしたら給付金がもらえる。

通院特約

退院後に通院したら給付金がもらえる。

がん特約

がんと診断されたとき、入院したときなどに給付金がもらえる。

生活習慣病特約

生活習慣病で入院したときなどに給付金がもらえる。

先進医療特約

先進医療を受けたら給付金がもらえる。

医療保険を選ぶときのポイント

医療保険には選択肢が多く、特約でも変化がつけられます。

自分の状況に応じて保障内容を検討しましょう。

1.終身医療保険と定期医療保険のどちらにするか

(1)終身医療保険

生きている限り保障が続きます。

保険料は高めですが、加入すると保険料は変わりません。

保険料をずっと払い続けるタイプと、60歳など一定年齢までに払いを得るタイプがあります。

(2)定期医療保険

保障期間を一定期間(10年など)ごとに更新します。

保険加入時の保険料は安いのですが、更新の都度、保険料が上がっていきます。

若い人で「貯蓄がまだ不充分だから医療保険に入っておきたい」という理由であれば、保険料の安い定期医療保険がオススメです。

2.入院・手術以外の保障を追加するか

特約をつけることで、入院・手術以外の保障を追加することができます。

保険により、どんな特約があるかは異なります。

特約の内容と特約を付けると保険料がいくら増えるかを確認して、保障を追加するか判断します。

3.入院限度日数はどのくらいにするか

給付金がもらえる1回あたりの入院限度日数は、60日、120日などいろいろあります。

入院限度日数が長いほど安心できますが、その分、保険料も上がることに注意してください。

ちなみに、がん保険では、入院・通院にかかわらず抗がん剤治療に給付金を出す保険もあります。

加入中の医療保険の内容を確認する

すでに医療保険を加入している人は、下の表に保険の内容を書き出してみます。

医療保険の種類や補償内容を確認した上で、年齢や家族、資産などの状況と照らし合わせて、必要ならば見直しを行います。

保険の種類

保険会社

被保険者

医療保険額

保障期間

1回あたり入院限度日数

その他の特約など

保険料(月額)

               
               
               
               

(記入例)

保険の種類

保険会社

被保険者

医療保険額

保障期間

1回あたり入院限度日数

その他の特約など

保険料(月額)

終身医療保険

○○保険会社

保険太郎

入院日額1万円

10年

60日

がん入院日額は2万円

1,950円

がんになったときの治療費・給付金

病気の中でも特に「がん」が気になるという人は多いはずです。

1.がんになるとどれくらい治療費が必要か

がんの種類や治療の内容にもよりますがが、3割負担で平均数十万円程度になります。

ただし、もし3割負担で1ヵ月に229,449円かかっても標準報酬月額280,000円から500,000円の人なら高額療養費制度により85,078円で済みます。

 

入院日数

健康保険自己負担額(3割負担)

胃がん

18.8日

292,518円

結腸がん

15.4日

248,457円

直腸がん

18.7日

336,489円

肺がん

14.1日

227,571円

乳がん

12.9日

229,449円

参考:全日本病院協会「疾患別の主な指標」(2013年)※診療報酬点数1点=10円で換算

2.がん保険の給付金の主な種類

がん保険は通常の医療保険と異なり、まとまった診断一時金が出るのが特徴です。

通院、抗がん剤治療などに給付金が付く商品かどうか確認をするとよいでしょう。

  内容 給付金

がん診断一時金

初めてがんと診断されたときに、まとまった金額を受け取れる。

50万円程度~

がん入院給付金

がんで入院すると入院日数分を受け取れる。日数無制限の保険がほとんど。

5,000円~

がん手術給付金

がんの手術の際に受け取れる。金額は、がん入院給付金の10倍など。

5万円~

※がん保険の保障開始までには、保険加入後90日または3ヶ月待ち期間があります。

この間にがんと診断されても保障の対象にはならず、契約は無効になります。

3.ケア用品等は保険で賄えないのか

抗がん剤治療による副作用で髪が抜け落ちたり、乳がん治療で乳房を摘出したりした人が購入する医療用ウィックや乳房補正具などは、治療費ではないため公的医療保険では賄えません。

それらに対する助成を行う自治体もあります。

該当する自治体に住民票があること、現在がん治療中であることが主な条件で、自治体によって限度額や対象となるものが異なりますので、調べてみるのもよいでしょう。

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