空き家に対する保険|必ず加入して空き家をどうするか方向性を検討する

損害保険

火災保険を空き家として加入する際には、住宅として契約するわけではありません。

また、単に人が住んでいないからという理由だけで、空き家として火災保険の契約をするものもありません。

相続した空き家をどうするかは、今や多くの人にとって頭の痛い問題です。

国土交通省の調査によると、空き家を持つ人の半数超が相続で取得しており、今後5年以内は「空き家にしておく」という人が2割強いました。

空き家を所有している人からしたら、なるべく空き家に関しての費用はかけたくないはずです。

しかし、空き家が原因で損害が発生してしまった時を考えると、保険の加入は必要となります。

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空き家を放置するリスク

空き家であっても、管理のための手間や費用がかかります。

家は放置すれば、時間が経つにつれて防災上、防犯上のリスクが高まります。

手入れをしていない家は防災への備えがなく、自然災害での被害が大きくなる可能性があります。

また、無人の家に不審者が入り込み、放火されるリスクが高まります。

このようなことで空き家が被害に見舞われた場合、取り壊しや残存物の後片付けをしなければならず、そのためにまとまった出費を余儀なくされることもあります。

また、空き家の管理が不十分な場合は他人に損害を与える可能性があります。

屋根瓦が落ちてケガをさせたり、塀が隣家に倒れてモノを壊したりすれば、賠償責任を問われる場合があります。

多額の賠償となれば、老後の生活に深刻な影響を及ぼします。

空き家に対する火災保険の利用

これらのリスクに対応するするために役立てたいのが保険です。

火災や思いがけない事故、一定の自然災害などによる損害は、火災保険でカバーできます。

空き家でも火災保険は欠かせません。

多少なりとも資産性があるなら、その保全のためには必要性は高くなります。

「古い家で価値もないから、火災保険をかけても仕方がない」という人がいますが、火災保険金額と不動産価値は無関係です。

不動産としての住宅の価値は25年でゼロになるとされていますが、火災保険は、失った建物を再度立てる費用を保険金額にするのが基本です。

「ボロボロの廃屋だから燃えてくれたほうが助かる」と思っている人もいるかもしれませんが、火災が発生したところで、きれいさっぱり建物がなくなるわけではありません。

残存物の撤去にも費用がかかります。

また、自然災害による損害でも同様のことがいえます。

それが原因で人がケガをしたり人の物に損害を与えたりした場合、被害者から損害賠償を求められかねません。

この場合は火災保険ではなく、賠償関連の保険で備えることになりますが、いずれにしても、何らかの保険で備えておく必要はあるということです。

空き家になった場合、それまでかけていた住宅向けの火災保険は継続できません。

損害保険会社に空き家になったことを知らせて、空き家を対象とする火災保険の手続きをしましょう。

また、空き家が原因で他人に損害を与え、賠償責任を問われるリスクに備えられるのは「施設賠償責任保険」です。

この保険についても手続きをしておきましょう。

空き家で火災保険の契約は可能であるが条件は厳しい

最近、空き家について火災保険の契約引き受けを断る会社も出てきています。

家財があって住める状態のものから廃屋のようなものまで空き家の状態はさまざまです。

さらに「住める状態」といっても、人が居住しなくなってどの程度経っているかなど、その空き家の状態によっては契約の引き受けを断られることもあります。

特に廃屋のようなものはリスクが高いと判断されます。

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空き家での地震保険の契約は可能か

理屈上は、住宅物件に該当するなら可能、一般物件であれば不可ということになりますので、空き家では地震保険に加入できません。

加えて、地震が原因の賠償責任は、施設賠償責任保険では補償の対象外とされるのが一般的です。

そもそも火災保険に加入可能かどうかが問題なので、地震保険についてはその次の話です。

地震保険は居住用(住宅用)の建物が対象ですので、この要件を満たしていなければ加入は難しいのが現状です。

空き家を住宅物件として契約できるかのポイント

空き家で火災保険の契約をする際のポイントは、たとえば、別荘のように一定の季節や時期に住居として住む建物があります。

このような用途の建物は「住宅物件」とみなされます。

また、親など元の居住者が死亡して相続により取得した居住者が、そこに住んでいない場合もあります。

家財があって親族が管理のために定期的に寝泊まりすることがあり、住居としての機能が維持されているなら、「住宅物件」として契約することも可能です。

今後も引き続き住居として使用することが予定されているなら、住宅物件として契約できるものと考えられます。

また、廃屋のようになった状態の場合、火災保険の加入は厳しくなります。

火災保険に加入するような財産価値よりも周囲への損害賠償リスクを考えた方がよいでしょう。

いずれにしても、建物によって使用状態や背景はさまざまです。

契約の引き受け基準は保険会社によって異なりますので、現況をきちんと伝えて、対応を検討してください。

空き家をどうするか方向性を検討する

空き家は保険でカバーするだけでなく、その家をどうするかを先送りせずに考えることが重要です。

持ち続けるならどう活用するのか、売却するなら売れる物件なのか。

ある程度の方向性を定めて、対策を検討しましょう。

日本の空き家総数は約820万戸で全体の14%を占め、今後も増えるとみられます。

家族のためのマイホームも、子供の独立や老いとともに、取り巻く環境は変わります。

子の世代への負の遺産とならないように、計画的に考えることが必要です。

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