お金は稼げばいい、貯めればいい、という偏った考え方は避けるのが基本です。
多角的に「お金の教養」を身に付けましょう。
お金と正しく付き合えるかどうかは考え方次第
お金は人から人へと世の中を回り続ける、いわば信用を媒介するものです。
つまり、「たくさん稼いだ者の勝ち」、「多く散財したものが偉い」といった偏った考えではお金の流れは安定しません。
お金の使い方が荒くなり、人に傲慢な態度をとっていれば、お金も信用もどんどん離れていってしまいます。
お金と人との関係は「稼いで使う」だけでなく、どのように貯めたり、増やしたりするか、あるいは社会に対してどういった還元をするかなど、向き合い方はさまざまです。
後述する7つのスキル(「考え方」「貯め方」「使い方」「稼ぎ方」「増やし方」「維持管理」「社会還元」)は、お金と上手に付き合っていくために欠かせない項目です。
これらは「お金の教養」ともいい換えることができ、それぞれに理解度に応じたステージがあります。
ここでは簡単なチェック項目を記載しているので、ぜひどれくらい自分の習慣と合致しているか、確認してみましょう。
また、「お金の教養」はもともと備わったものではなく、お金についての意識を変えることで、少しずつ行動や習慣も変化していきます。
このような変化に伴って、「どういったことにお金や時間の投資をすべきか」、「お金に働いてもらうとは何か」など、お金についての理解力(リテラシー)も高まっていきます。
大切なのは、どれか1つだけに偏ったスキルを習得するのではなく、総合的な能力をつけるということです。
情報化社会の昨今は、「お金を増やしたい」と思えば、さまざまな金融商品のテクニックを簡単に調べることができます。
しかし、一時的に稼ぐことができても、果たしてそれは豊かな人生に直接つながるかどうか、疑問が残ります。
断片的な情報ではなく、バランスよくお金の教養を身に付けていくことで、長い目で見れば豊かでゆとりのある人生を手に入れることができると捉えておきましょう。
お金との向き合い方を考えるチェックリスト
各スキルに記載しているチェック項目は下に行くほど教養ステージが高くなります。
1.考え方
お金は社会との関係によって得られるものです。
そのためどう稼ぐかよりも、なぜ、お金を稼ぐのかのほうを先に把握していないと、人との信用を失ったり、金遣いが荒くなったりしてしまいます。
【チェック項目】
□お金に対して偏った考えを持っている
□将来の不安があるが答えが見えない
□将来の不安を解決するため日々行動している
□経験と失敗から成長する思考を持っている
□物事の本質をつかむ能力を持っている
2.貯め方
日本は貯蓄を美徳とする風習がありますが、かといって貯めるだけでは成長にはつながりません。
足元の家計を俯瞰しながら、投資に回すお金を意識するのも稼ぐ力をつける要素のひとつになります。
【チェック項目】
□お金が貯まらない
□貯蓄ができている
□先取り貯蓄など、貯蓄のしくみができている
□年齢の2乗の貯蓄がある(例:40歳 × 40 = 1,600万円)
□生涯必要な額の貯蓄がある
3.使い方
お金を使うこと自体が目的ではなく、何にどう使うかを意識することが重要です。
支払った額は、得られた価値と比べて上回ったかどうかから、「投資」、「浪費」、「消費」に分けて考えてみましょう。
【チェック項目】
□生活を回すため借金をしている
□何に使ったかわからない出費が多い
□支出をコントロールできている
□一定額を毎月自己投資に使っている
□人の成長や文化の継承などにお金を使っている
4.稼ぎ方
「稼ぐ=長時間働く」という考え方は過去のものとなりつつあります。
自分の能力に付加価値をつけて、時間に紐付いた報酬体系に縛られない稼ぎ方を意識できるかどうかがポイントです。
【チェック項目】
□目の前の生活のために働いている
□安定した収入を得ることができている
□数年後も収入が増える働き方ができている
□時間ではなく成果に連動した収入のしくみがある
□少しの時間で多くの収入を得るしくみを持っている
5.増やし方
以前と比べて副業が一般的になりましたが、まだまだ実践できている人は多くありません。
資産運用によって「お金に働いてもらう」という方法も視野に、積極的に増やす行動も検討しましょう。
【チェック項目】
□運良くお金が増えないかと願っている
□低金利に不満はあるが預貯金しかしていない
□投資信託など最低限の運用のみ
□得意分野に投資して成果を出している
□再現性のある方法で運用収入が増えている
6.維持管理
稼いだ分だけ全てお金を使っていたら、いつまでたってもお金との付き合い方は安定しません。
資産をどのように、どれぐらい維持していくかを考えるのも重要なスキルのひとつです。
【チェック項目】
□お金の貸し借りや詐欺でトラブルになったことがある
□貯蓄の総額を把握している
□持っている資産の時価を知っている
□5年以上純資産を減らしていない
□労働収入がなくなっても生活できる資産・収入がある
7.社会還元
お金は誰かが誰かに支払って初めて流通するものです。
社会経験で得た知識やスキルを社会に還元することで、結果的にあなたの信用力も高まり、より豊かな環境が生まれることになります。
【チェック項目】
□与えられることはあっても与えたことは無い
□身内や親友の助けになることができている
□募金やボランティアに参加したことがある
□お金や知識、経験を提供することを継続している
□自分が持っているものを社会に還元するしくみができている
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