お金が社会を動かし続ける血液
お金はよく「社会の血液」にたとえられます。
社会との関わりなしに生きていくことができない以上、社会の中でのお金の流れについても目を向けざるを得ません。
お金は、「家計」「企業」「政府」の3つのグループを行ったり来たりしています。
個人は、働いて得た収入で家計をやりくりします。
企業は家計からの労働力を使って商品やサービスを提供して利益を得て、家計に給料を支払います。
家計と企業は政府に税金を納めます。
政府は、税金を使って公共サービスを家計や企業に提供しています。
このようなお金の流れによって、社会の活動が支えられているのです。
「家計」「企業」「政府」間をお金が循環する
「家計」「企業」「政府」がお金の流れを作る原動力となり、社会の中をお金が血液のように巡っています。
〇お金の循環
【企業】
家計から提供される労働力をもとに商品やサービスを生産・販売して利益を得ます。
また、利益から給与を支払います。
【家計】
企業などで労働して給与をもらいます。
もらった給与で、企業から生活のための商品やサービスを買います。
【政府】
稼ぐ代わりに家計や企業から税金を集めて、企業では難しい社会保障などの公共サービスを提供します。
また、企業に仕事の発注も行います。
景気には波がある
景気とは企業の生産活動とモノやサービス、お金の流れの状態のことをいいます。
景気には良くなったり悪くなったりを繰り返す波があります。
〇景気サイクル
景気はいい状態と悪い状態をくりかえし、四つの局面に分類されます。
局面 |
説明 |
投資 |
消費 |
物価 |
回復 |
景気が良くなっていく状態 |
拡大 |
拡大 |
インフレ傾向 |
好況 |
景気がいい状態 |
拡大 |
拡大 |
インフレ状態 |
後退 |
景気が悪くなっていく状態 |
縮小 |
縮小 |
デフレ傾向 |
不況 |
景気が悪い状態 |
縮小 |
縮小 |
デフレ状態 |
景気がいいときは投資と消費が活発になり、景気が悪いときは投資と消費が落ち込みます。
【景気が良くなると → お金が円滑に流れる】
〇景気が良いときのお金の流れ
景気が良くなると利益が増え、税収が増加しますが、さらに利益が増えすぎると景気の過熱を抑えるため、日銀による金融政策や増税が行われます。
【景気が悪くなると → お金の流れが滞る】
〇景気が悪いときのお金の流れ
景気が悪いと利益が減り、税収が減少すると景気を上向かせるために、減税や公共事業の増加、日銀による金融政策が取られます。
税収が減るのに支出が増え、収支が悪化します。
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