外国人と比べて日本人は貯蓄好きといわれますが、そもそもお金を貯めることには、どんな理由やメリットがあるのでしょう?
お金は使うだけではなく、将来に備えて貯めていく必要もあります。
貯蓄のコツについて学んでいきましょう。
「貯蓄ゼロ」世帯は意外と多い
私たちが生活をしていくうえで、何か物を買ったり、消費したりしながら生きています。
しかし、消費だけしながら生きている人はいないでしょう。
生活するためには、想定外の出来事や普段の収入では買えない高い買い物等に備えて貯金する必要があるためです。
お金を貯める目的は、大きく分けて3つあります。
1つ目が冠婚葬祭などの「ライフイベント」です。
たとえば、結婚や転職に伴う引っ越し、家族揃っての移住など、数十万円、数百万円単位の出費があることは珍しくありません。
そして2つ目が家や車などの「高額な買い物」に備えるためです。
たとえば、新築マイホームの購入の一般的な費用は3000万円以上だといわれています。
この場合は住宅ローンを組む際の頭金としてかかる2~3割の準備金を用意するためといえます。
最後の3つ目が、入院・失業・災害などの「緊急事態」に対してです。
病気などで働けない無収入の状態は、生活していくうえで致命的です。
「備えあれば憂いなし」というように、もしものときに備えて、ある程度の貯蓄を確保しておきましょう。
ところで、実際にこのような事態に備えてしっかりと貯蓄できているのでしょうか。
「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](令和元年)【金融広報中央委員会】によれば、全体で23.6%の世帯が「貯蓄ゼロ」というデータが出ています。
まだ若く、元気で働いていて、毎月給料が入ってくれば、日常生活ではそれほど貯金の必要性を感じないかもしれません。
しかし、突然のケガや病気で働けなくなり、給料をもらえなくなったらどうでしょうか?
ある程度のお金を持っていないと困ります。
また、人生には結婚、出産、子どもの進学、住宅購入などの大きな支出が必要なライフイベントがあります。
そのとき、自分の希望を実現するには、やはりお金が必要です。
貯蓄は、自分が納得できる人生に近づくために欠かせません。
貯蓄の必要性を知り、計画的にお金を貯めていくことが大切です。
なるべく早めに貯蓄意識を身につけましょう。
3つの「備える」という役割
日々の暮らしでお金を全部使い切ってしまったら、大事な場面でお金が足りなくなります。
お金を貯めることの対象は、主に3つに分けられます。
「結婚などのライフイベント」、「家などの高額な買い物」、そして「入院などの緊急事態」の3つです。
貯蓄には、このような将来に向けた資金として備える役割があります。
日常の生活費とは別に、いざというときのためや月々の収入で賄えない大きな出費に備えておきましょう。
ライフイベントに備える |
結婚・出産資金 子どもの進学資金 老後の生活資金 など |
高額な買い物に備える |
家の購入・改築資金 車の購入資金 など |
緊急事態に備える |
病気・ケガなどの入院費用 災害などの対応費用 など |
年齢別に見る貯蓄額
年代ごとに収入とお金の使いどころが変わるので貯蓄額にも差が出ます。
出典:内閣府「令和2年版高齢社会白書」、総務省「家計調査(二人以上の世帯)」(平成30年)
【20代】
20代は仕事を始めたばかりでまだ貯蓄が少ないのですが、結婚や住宅取得のための貯蓄も必要となってきます。
【30から50代】
順調にいけば30代、40代、50代と収入は増えますが、高額な支出が膨らみます。
たとえば、出産、教育・住宅購入などがありますが、負債額の多くは住宅ローンとみられます。
【60代~】
60代以降、平均貯蓄額が増えていきます。
その理由は住宅ローンを完済し、子育ても終えていることが多く、退職金をもらえる人がいるためなどがあります。
しかし、仕事を引退した後は、貯蓄を生活費として切り崩していくのが一般的です。
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