家計管理の考え方を押さえたら、次に具体的な家計簿を参考に、理想の割合や改善案を学んでみましょう。
細かな出費の見直しを重ねて貯蓄は自分でつくる
実際の家計モデルを参考に家計管理を学んでいきます。
今回は20代の単身者と30代前後のDINKSを例として、改善前の家計を「実際の金額」として、また、改善後の金額を「理想の金額」として示しています。
当然のことながら、家族構成や収入等によって細かな理想の割合や金額は変動しますが、改善すべき点や考え方は他の家計簿でも応用できるものです。
ぜひ参考にしてみてください。
20代の単身者の家計簿
【基本データ】
・手取り月収:20万円
・一人暮らし、25歳、会社員男性
【診断のポイント】
一人暮らしの利点を生かし、融通がききそうな多くの項目を見直します。
食費、通信費、教育費、交通費の項目を改善し、預貯金の割合が12%上昇します。
家計費内訳 |
実際の割合 |
実際の金額 |
懸念事項 |
理想割合 |
理想の金額 |
改善内容 |
手取り |
100.0% |
\200,000 |
|
100.0% |
\200,000 |
|
住居費 |
34.0% |
\68,000 |
|
30.0% |
\60,000 |
|
食費 |
20.0% |
\40,000 |
基本的に自炊をしないため少し高め |
16.0% |
\32,000 |
|
水道光熱費 |
6.0% |
\12,000 |
|
6.0% |
\12,000 |
|
通信費 |
5.0% |
\10,000 |
3大キャリア使用で何も考えずにオプション等も付加 |
3.0% |
\6,000 |
格安SIMに乗り換えることで節約 |
生命保険料 |
0.0% |
\0 |
現在は保険に入っていない |
2.0% |
\4,000 |
|
生活日用品 |
2.0% |
\4,000 |
|
2.0% |
\4,000 |
|
医療費 |
1.0% |
\2,000 |
|
1.0% |
\2,000 |
|
教育費 |
10.0% |
\20,000 |
ジムと英会話で貯金より自己投資を優先 |
5.0% |
\10,000 |
休みがちだった英会話レッソンをオンラインサービスに切り替える |
交通費 |
1.0% |
\2,000 |
|
2.0% |
\4,000 |
|
被服費 |
3.0% |
\6,000 |
|
3.0% |
\6,000 |
|
交際費 |
5.0% |
\10,000 |
週末の飲み会が多い |
4.0% |
\8,000 |
|
娯楽費 |
2.0% |
\4,000 |
|
3.0% |
\6,000 |
|
嗜好品 |
2.0% |
\4,000 |
コンビニでお菓子などを買うことが多い |
2.0% |
\4,000 |
|
その他 |
4.0% |
\8,000 |
4.0% |
\8,000 |
|
|
預貯金 |
5.0% |
\10,000 |
財形貯蓄等でなんとか1万円は確保 |
17.0% |
\34,000 |
生活費の見直しで浮いた分を上乗せ |
支出計 |
100.0% |
\200,000 |
|
100.0% |
\200,000 |
|
まず、20代の単身者は、一人暮らし、会社員男性というケースです。
今回、主に食費・通信費・教育費・交際費の項目がチェックポイントになります。
食費は外食が多かったため、自炊で賄うようにして調整します。
通信費は格安SIMへ変更することで抑制し、教育費では英会話レッスンをオンライン系の安いサービスへ切り替えを行います。
交際費では、毎週末のお決まりの飲み会を見直す一方で、嗜好品は設定していた「浪費」の範囲内の支出であるので、そのままの状態にしています。
こうして、預貯金は支出全体のわずか5%だったのが、17%を占めるまでに成功しています。
30代前後のDINKSの家計簿
【基本データ】
・手取り月収:夫29万円、妻11万円
・夫:31歳会社員、妻:28歳パート
【診断のポイント】
一番費用がかかる住居費はまずは安い物件に引っ越しします。
教育費や食費は普段のクセから改善しました。
生命保険料も細かく見直し、貯金が生まれる家計に改善されました。
家計費内訳 |
実際の割合 |
実際の金額 |
懸念事項 |
理想割合 |
理想の金額 |
改善事項 |
手取り |
100.0% |
\400,000 |
|
100.0% |
\400,000 |
|
住居費 |
30.0% |
\120,000 |
通勤に便利な立地を優先したので高め |
25.0% |
\100,000 |
|
食費(外食含む) |
17.0% |
\68,000 |
宅配の利用が多い |
13.0% |
\52,000 |
宅配を控えて自分で買い物に行くようにする |
水道光熱費 |
4.5% |
\18,000 |
|
4.5% |
\18,000 |
|
通信費 |
2.5% |
\10,000 |
|
2.5% |
\10,000 |
|
生命保険料 |
6.0% |
\24,000 |
夫の分は入社時から変更なし |
2.5% |
\10,000 |
保険内容を細かく見直し必要な分だけにする |
生活日用品 |
3.0% |
\12,000 |
アマゾンの利用が多い |
1.5% |
\6,000 |
|
医療費 |
1.0% |
\4,000 |
|
1.0% |
\4,000 |
|
教育費 |
6.0% |
\24,000 |
夫婦それぞれの自己投資 |
3.5% |
\14,000 |
当面必要になりそうな習い事だけに集約する |
交通費 |
1.0% |
\4,000 |
|
1.0% |
\4,000 |
|
被服費 |
3.0% |
\12,000 |
|
2.5% |
\10,000 |
|
交際費 |
0.0% |
\0 |
|
2.0% |
\8,000 |
|
娯楽費 |
2.0% |
\8,000 |
|
2.0% |
\8,000 |
|
嗜好品 |
1.0% |
\4,000 |
|
1.0% |
\4,000 |
|
小遣い(2人分) |
20.0% |
\80,000 |
|
15.0% |
\60,000 |
|
その他 |
3.0% |
\12,000 |
|
3.0% |
\12,000 |
|
預貯金 |
0.0% |
\0 |
|
20.0% |
\80,000 |
|
支出計 |
100.0% |
\400,000 |
|
100.0% |
\400,000 |
30代前後のDINKSの家計は、夫が31歳の会社員、妻28歳のパートというケースです。
主な改善点は、居住費、食費、生命保険料、教育費で、それぞれ1万円以上の出費の削減に成功しています。
生命保険料はいろいろな保障が合わさったワンパック型で、ずっと手付かずの状態でしたが、今後に必要な保障だけに絞ることに内容を変更しました。
食費も宅配利用はなるべく控え、ネット通販の利用も見直しします。
こうした積み重ねの結果、貯蓄ゼロ家計から、家計の20%を貯蓄に回せるまでの家計へと生まれ変わりました。
コメント