返却不要の給付もあり キャリアアップに活用したい
社会人になった後も、キャリアアップのために資格を取るなど、学びたいときがあるでしょう。
そんなとき利用したいのが教育訓練給付金です。
雇用保険に入っていれば、正社員に加えアルバイトやパートでも利用できます。
教育訓練給付金は利用できる講座が指定されているので、対象とならないことを学びたい場合や個人事業主なら奨学金を利用する方法もあります。
日本学生支援機構の奨学金は、社会人の学び直しにも利用できます。
注意すべきは、貸与の奨学金には返済の義務があることです。
返済が苦しくなったときは必ず連絡して、減額や返還期間猶予の手続きをとりましょう。
教育訓練給付金でキャリアアップ
仕事を辞めても1年以内なら利用できます。
出産、育児、病気などが理由の離職なら、離職後、最大20年まで可能です。
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一般教育訓練給付金 |
専門実践教育訓練給付金 |
条件 |
雇用保険に1年以上加入 (2回目以降は3年以上加入) |
雇用保険に2年以上加入(2回目以降は3年以上加入) |
対象資格 |
簿記検定、社会保険労務士、情報処理技術者試験、英検など |
看護師、社会福祉士、保育士、公認会計士、税理士など |
もらえる給付金 |
受講費用の20%、上限10万円 |
受講費用の50%(※)、1年で上限40万円(最大3年で120万円) |
※資格を取得したら20%追加により合計70%(最大3年で168万円)に
管轄するハローワークに申し込みを行います。
なお、対象講座については「厚生労働大臣指定教育訓練講座」で検索して確認しましょう。
学び直しのための講座とは?
急速な社会や経済の変化に応じて、職業や働き方のあり方が変化しています。
生涯を通して社会で働く人のために、一旦社会人になった後も学び直しができる講座が増えています。
高等専門学校、短期大学、大学、大学院などが社会人を対象に実践的・専門的な講座を提供しています。
一部は「専門実践教育訓練給付金」の対象になっています。
日本学生支援機構の奨学金
貯蓄があれば、学び直しにも使えますが、蓄えがあまりない場合でも、高校や大学卒業後2年以上経過した人は、入学後学校通じて申し込みができます(年収等の要件あり)。
なお、一定レベルの成績が求められる無利息の第一種奨学金と比較的利用しやすい第二種奨学金があります。
区分(貸与月数) |
通学 |
貸与月額 |
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大学 (48ヶ月) |
国公立 |
自宅 |
2万円、3万円、4万5,000円から選択 |
自宅外 |
2万円、3万円、4万円、5万1,000円から選択 |
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私立 |
自宅 |
2万円、3万円、4万円、5万4,000円から選択 |
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自宅外 |
20,000円、30,000円、40,000円、50,000円、64,000円から選択 |
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短大・専修(専門) 24ヶ月 |
国公立 |
自宅 |
2万円、3万円、4万5,000円から選択 |
自宅外 |
2万円、3万円、4万円、5万1,000円から選択 |
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私立 |
自宅 |
2万円、3万円、4万円、5万3,000円から選択 |
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自宅外 |
2万円、3万円、4万円、5万円、6万円から選択 |
区分 |
貸与月額 |
大学・短大・高専(4.5年)、専修(専門)) |
2万円~12万円 1万円ごと毎選択可能 |
私立大学 医・歯学課程 |
12万円に4万円の増額が可能 |
私立大学 薬・獣医学課程 |
12万円に2万円の増額が可能 |
大学院 |
5万円、8万円、10万円、13万円、15万円から選択 |
法科大学院 |
15万円に4万円または7万円の増額が可能 |
奨学金の返済に困ったら
返済額を減らしたり、返済を先送りしたりすることが可能です。
いずれも1年ごとの願い出が必要です。
詳細については奨学金相談センターに確認してください。
減額返還 |
・月々の返済を減らす ・年収325万円以下(給与所得(※)の場合)の人が対象 ・割賦金の支払い月額を2分の1または3分の1にする代わりに、返還期間が2倍または3倍になる |
返還期間猶予 |
・月々の返済を先に延ばす ・年収300万円以下(給与所得(※)の場合)の人が対象 ・一定期間、返済を猶予された後、再開する |
※給与所得とは源泉徴収される前の給与から、給与所得控除を引いたもの
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