投資によって得た利益には通常、税金がかかりますが、「つみたてNISA」という制度を利用すれば非課税になります。
対象商品の厳選で投資初心者も利用しやすい
つみたてNISAは、長期・積立・分散投資を支援するために、2018年1月からスタートした制度です。
通常、投資によって増えた利益は収入とみなされ、約2割の税金がかかります。
しかし、つみたてNISA専用の口座で売買した商品によって得た利益には、税金がかかりません。
たとえば、投資によって10万円の利益を得た場合、通常の口座(銀行口座とは別途、証券会社などで開設する口座)だと、税金が約2万円かかるため、手元に残るのは8万円です。
一方、つみたてNISA専用の口座であれば、10万円の利益をまるまる受け取ることができます。
ただ、つみたてNISAには、条件が定められています。
1つ目は購入方法が積立のみであることです。
つまり、対象商品を一括で購入するといったことはできません。
2つ目は、新規で投資できる金額に年40万円までの上限が定められていることです。
年40万円までの金額の中で購入した商品から得た利益についてのみ、税金がゼロになります。
なお、上限金額まで使い切らなかったとしても、残りの枠を翌年まで持ち越すことはできません。
3つ目は、税金がかからない期間が最長20年であることです。
たとえば、2020年に購入した商品から得た利益は、2040年までは税金ゼロで運用することができます。
なお、対象商品は、手数料が低水準で頻繁に分配金が支払われないなどの条件を満たし、長期で投資を行うことに適した投資信託などに限定されています。
対象商品の本数は2020年9月15日現在で、183本となっており、商品が絞られている点も初心者にとっては利用しやすいしくみとなっています。
対象商品の中で最も多いのは、株価指数に連動した成果を目指すインデックス型です。
TOPIXや日経平均株価など、日本の代表的な指数と同じ値動きを目指す商品などが購入できます。
「つみたてNISA」なら税金がかからない
1.つみたてNISAは利益全額が受け取れる
通常、投資によって得た利益には約2割の税金がかかりますが、つみたてNISAを利用すれば利益をまるまう得ることができます。
2.つみたてNISAの主な3つの特徴
(1)購入方法は積立のみ
つみたてNISAを通じて商品を購入する場合、毎月いくらずつ積み立てていくのか、事前に購入する金額を設定しておく必要があります。
つまり、一括での購入はできません。
(2)非課税となる投資額は年40万円
つみたてNISAは、新規で投資できる金額の上限(非課税枠)が年40万円までとなっています。
上限まで使いきれなかったとしても、翌年まで持ち越すことはできません。
(3)非課税となる期間は最長20年間
利益が非課税となる期間は最長20年間です。
また、新規で投資可能な期間は現在2018年から2042年までとなっています。
つみたてNISAは商品が厳選されている
1.つみたてNISAの対象となる3つ条件
(1)販売手数料は0円
つみたてNISAで対象となる投資信託は、販売手数料が0円(ノーロード)のものに限られています。
つまり、購入時に手数料はかかりません。
(2)運用中の手数料は低い
長期的な投資を促すために投資信託を有している間に係る手数料(信託報酬)は、アクティブ型を含めて低いものに厳選されています。
(3)分配金は頻繁に支払われない
分配金を途中で受け取ることなく運用を継続していくことで、運用によって得られた利益がさらに利益を生む効果(複利効果)が期待できます。
2.対象商品
対象商品は、数千本以上あると言われると信託の中から、2020年9月15日時点で183本に厳選されています。
特に株価指数に連動した成果を目指すインデックス型の割合が多めです。
〇つみたてNISA対象商品の分類
|
国内 |
内外 |
海外 |
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公募投信 |
株式型 |
39本 |
12本 |
44本 |
資産複合型 |
5本 |
74本 |
2本 |
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ETF |
3本 |
- |
4本 |
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