自分自身の価値を高めることが高収入の条件
お金との付き合い方は、人の稼ぐ力次第でも大きく変わります。
稼ぐ力は、社会に対してどれだけ価値を提供できるかということと深く関係しています。
お金がたくさん入ってくるということは、どこかにお金をたくさん払っている人がいるということです。
つまり、支払いを相手に「支払う額以上の価値がある」と判断させるだけの市場価値を築きあげる努力ができるかどうかで、10年後、20年後の収入についても大きな変化が生まれてきます。
成果主義になりつつある現代社会において、これは会社単位でなく個人についても当てはまります。
自分自身の市場価値を高めるためには、そもそも「何が価値のあるものなのか」についての判断力が必要です。
正しい価値を見極める力が備わっていれば、「長時間働く=収入が増える」という時間連動の稼ぎ方ではない、付加価値の高いビジネスの本質が見えてきます。
お金を支払うときはそのモノやサービスがどういった価値があるのか、普段から考えることを意識してみましょう。
モノだけではなく人の稼ぐ力も変わる
〇稼ぐ力
【年代ごとに異なる人的資本の価値】
20代 |
持ち時間はまだまだたっぷりあり、体力もある。 しかし、働き始めたばかりで経験は少なく信用も低い。 実績もほとんどない。 |
30代 |
仕事に慣れて、頭角を現し始める人もいる。 働いている業界の事情もわかり、信用や実績を積み重ねていく時期。 |
40代 |
働き盛りとして重要な仕事を任せられる。 正社員なら給料も大きく伸び、フリーの場合も収入が伸びる時期。 |
50代 |
出世する人と、しない人の差が大きくなる。 勤務先の状況によっては早期退職や転職を余儀なくされる。 体力の衰えを感じ始めることもある。 |
60代 |
現在は60歳で定年退職、65歳まで継続雇用の会社が多い。 長年の経験や人脈を生かして、定年後に起業する人もいる。 |
老後までの資金の流れをイメージしてみる
「老後のことを想像するともっと不安になる…」。
景気の停滞や年金制度崩壊の危惧などを背景に、将来のお金について不安を抱えている人も多いでしょう。
一概に年齢によって区切られるものではありませんが、30歳~40歳代と、60歳~70歳代の収入や支出の内訳は異なるケースが一般的です。
会社員時代は飲み会の出費が多く、定年後は旅行などの遊興費が増えたとか、あるいは、定年後は会社員時代より収入が大きく減ったなど。
いろいろなケースが考えられますが、漠然とでもいいので一度どれぐらいのお金が入り、出て行くのか試算してみるのもよいでしょう。
その上で将来に向けて何かしなくてはいけないのか、あるいは意外と余裕があると考えるのか、自分の問題として考えてみましょう。
将来の収支をざっくり概算してみましょう
〇将来の収支の試算
定年後も働くことも視野に入れておきましょう。
なお、上記はあくまでも、現在の収入や支出の水準で試算したものです。
60歳を定年として、その時点で必ず残るお金とはいえません。定年後も働くなど柔軟な将来設計の検討をしましょう。
退職金はどれくらいもらえる?
勤続年数 |
大企業 |
中小企業 |
3年 |
317 |
231 |
5年 |
615 |
423 |
10年 |
1,915 |
1,135 |
15年 |
4,312 |
2,149 |
20年 |
8,224 |
3,534 |
25年 |
13,011 |
5,243 |
30年 |
19,707 |
7,059 |
33年 |
- |
8,359 |
35年 |
24,346 |
- |
38年 |
26,320 |
- |
大企業:中央労働委員会「令和元年賃金事情等総合調査」(13- 2(大学卒、事務・技術労働者、総合職相当、自己都合))
中小企業:東京都産業局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」(大学卒)
退職金は基本的には長く働けば働くほど多く受け取れます。
ただ、昨今はずっと同じ会社に勤め続けるキャリア形成は常識ではなくなり、退職金制度がない中小企業も依然として多くあります。
残りの生涯賃金を増やす2つの方法
楽をして生涯賃金を増やす魔法のような方法はありません。
ここに提案した労働時間の延長とスキルアップという方法は、意思を持って実行することが前提です。
〇残りの生涯賃金
【労働時間の延長で増やす】
〇労働時間延長
例:現在、30歳男性で、残り期間の平均年収が400万円の場合
65歳でリタイアなら → 残りの生涯賃金 = 35年×400万円 = 1億4,000万円
70歳まで働けば → 残りの生涯賃金 = 40年×400万円 = 1億6,000万円
企業では雇用延長制度が実施されているので、65歳を過ぎても働くことは可能です。
【スキルアップで賃金自体を増やす】
〇スキルアップ
例:現在、25歳女性で、残り期間の平均年収が350万円の場合
現在のスキルのまま継続するなら
→ 残りの生涯賃金 = 40年×350万円 = 1億4,000万円
スキルアップで賃金増加率を高めれば(仮に賃金増加率を1.2倍とする)
→ 残りの生涯賃金 = 40年×420万円 = 1億6,800万円
現在の業務に関連した資格の取得、仕事内容のレベルアップや昇進などによる収入増を目指します。
スキルアップに有効な資格にはどんなものがあるのか
業種によって関連する様々な資格があります。
会社側から役立つ資格を推奨してくれたり、資格取得の研修を実施している会社もあります。
代表的なものとしては、日商簿記、秘書検定、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、TOEICなどがあります。
また、雇用保険の教育訓練給付金が使える資格もあります。
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