大黒柱の死亡保障はどう考える?|残った家族の生活を支えるための対策

もしものときに備える

不幸にも家族の収入を支える人が亡くなってしまったとき、遺族に必要なお金はどれぐらいになるか考えてみましょう。

遺族に必要な生活費は1億2000万円以上?

経済的な損失からも死亡は大きいリスクです。

若い人には実感しにくいかもしれませんが、どのような備えが必要なのか、今のうちから知っておくとよいでしょう。

上の式は月収35万円の夫が亡くなった場合の例です。

妻(専業主婦)と子ども1人分の生活費は、夫が生きていた頃の生活費にそれぞれ0.5と0.2を掛けたものを目安としています。

これにより、妻と子ども1人の場合は0.5+0.2=0.7を掛けたものとなります。

子どもは独立まで育てるとすると、残された家族に必要な生活費は約1億2000万円になります。

遺族には遺族基礎年金が支払われ、また、会社員が亡くなった場合は、さらに遺族厚生年金が加算され、支払われます。

しかし、これらの年金の障害受給額を出しても、遺族に必要な生活費には不十分です。

不足分は民間の保険である生命保険や、他の家族の収入でカバーする必要があります。

国からの保障は遺族年金

亡くなった人が個人事業主などの国民年金のみの加入者か、会社員などの厚生年金加入者かにより、また会社員ならその収入により、遺族がもらえる年金の額が異なります。

 

遺族基礎年金

遺族厚生年金

受給対象者

子どもか子どものいる配偶者

配偶者、子ども、父母、孫、祖父母

年金額(1年分)

781,700円+子の加算

子の加算 第1子・第2子 各 224,900円

第3子以降 各 75,000円

約43万円(※2)

(子どもがなく、遺族基礎年金が支給されない場合+585,100円)

受給合計額(※1)

約1,912万円

約2,443万円(64歳迄)

※1:夫の死亡時の年齢が30歳、月収35万円、妻の年齢が30歳で0歳の子どもがいるときで妻が64歳までの受給額の一例(令和2年4月時点での試算)

※2:350,000円×5.481/1,000×300月×3/4=431,628.75円

65歳からの国からの保障

妻は65歳になると自身の老齢年金がもらえるようになります。

妻が自身で厚生年金に加入したことがなく、老齢基礎年金を満額もらえる場合の先程の例では年間支給額は次のようになります。

妻65歳からの年間支給額:

遺族厚生年金 約43万円+老齢基礎年金781,700円=約121.17万円

先程の例のように90歳までの支給額は

121.17万円×26年=3150.42万円

となります。

民間保険で国の保障の不足分を埋める

必要な生活費に対して、国の保障だけでは不足します。

妻の収入でカバーする必要がありますが、それでも不足する場合は民間保険でカバーする方法があります。

1.死亡保障に備える保険

(1)終身保険

一生涯続く保険です。

保険料は割高ですが、途中解約すると払戻金がもらえます。

(2)定期保険

高額保証が一定期間続く保険です。

保険料は安いですが、満期保険金はありません。

(3)収入保障保険

期間を決めて加入ります。

定期保険より安いですが、徐々に貰える保険金が減ります。

2.生命保険はライフスタイルに合ったものを利用する

生命保険は保証期間や保険金の額によって保険料が変わります。

払戻金があり貯蓄性のある終身保険は保険料が高く、一方で定期保険や収入保障保険は期間が決まっていて、期間が満了しても何も返ってきませんが保険料は安くなっています。

自分の家族や家庭とのバランスを考えて、自分に適した保険を選ぶことが大切です。

3.学資保険の特約で万が一に備えることも可能

子どもの学費のために、決めたタイミングで保険金をもらえるのが学資保険です。

満額を受け取るには満期まで毎月積み立てる必要があります。

しかし、保険のオプションの中には契約者が死亡すると保険料の支払いが免除されるものもあります。

コメント