お金の使い方や貯め方の方向性を一致させる
結婚するとお金のやりくりが大きく変わります。
別々だった収支が世帯として1つになり、住宅の購入費や子どもの教育費などを協力して払っていくことになります。
まずはお互いの財布事情や考えをオープンにしましょう。
夫婦といえども、これまでの生活スタイルや性格は違うはずです。
細かいことまで干渉し合うのは息苦しいと感じる人もいるかもしれません。
たとえば、小遣いを何に使ったかは追求しないけれど、毎月の貯蓄額はしっかり決めるなど、2人がやりやすい方法を探ります。
これからの大きな方向性を一致させることが大事です。
結婚前にお財布をオープンにする
一緒に人生を歩んでいく上で、お金の管理は大切なことです。
今後の生活設計を話し合いながら、状況を把握します。
マネープランの前提になるので、最初に正直に話しておきましょう。
確認すべき項目 |
内容 |
収入 |
毎月の収入、ボーナスの収入、それぞれ税込みと手取りの金額 |
資産の額 |
貯金、株式や投資信託などの評価額、確定拠出年金の残高など |
借金の有無 |
奨学金、車やカードローンなどの返済 など |
どんな生活をしたいか |
住む場所と家(間取り、賃貸か持ち家かなど)、働き方、家事の分担、子どもは欲しいか など |
家計管理の方法 |
何にどれくらい使うか、どちらがいくら出すか |
共通の財布として使う銀行口座 |
家賃や光熱費など、家計費を引き落とす銀行口座をどちらの名義にするか |
勤務先の福利厚生 |
健保組合からの給付、グループ保険、退職金制度など、節約や家計管理に生かせる制度の把握 |
共働きなら家計の負担が軽くなる
結婚すると家計の負担が減る分、貯蓄もしやすくなります。
○共働きの家計
結婚したら保険に加入すべきか
共働きで子どもがいない場合は不要です。
妻が専業主婦の場合や子どもが生まれた場合は、万が一に備えて、夫は死亡保障のある生命保険に加入しましょう。
妻は原則、保険加入は不要ですが、子どもが欲しい場合、妊娠・出産の際に思いがけず入院・手術をすることがあるため、医療保険に加入するとよいでしょう。
国民健康保険料や介護サービス費などは世帯収入で決まる
結婚すると通常、住所と生計を共にする単位として、2人で1世帯とみなされます。
一般的に収入の多い方が世帯主となり、住民票に登録されます。
会社員の社会保険料は個別に計算されますが、国民健康保険料や介護サービス費、子どもの保育料などは世帯収入で決まります。
結婚後の家計管理タイプ
収支のタイプを問わず、デメリットは、家計の情報を夫婦で共有することで補っていきます。
以下、家計の管理方法を紹介しますが、ここでの「生活費」は貯蓄以外のすべての支出のことを指します。
1.どちらかが働くケース(夫が働く場合)
(1)生活を支えるほうが家計を管理
○生活を支えるほうが家計を管理
働き手に時間的余裕がある場合にオススメです。
【家計管理の方法】
夫の収入から生活費を妻に渡し、残りの支出は夫が管理します。
なお、妻の小遣いをどうするかは、話し合って決めるようにします。
【メリット】
しっかりした夫なら1人で家計を大まかに把握できます。
【デメリット】
妻は家計全体を把握できないので、貯蓄額がわからないことや夫は生活費の詳細まではわからないことが挙げられます。
しっかり管理しないと貯蓄ゼロとなりかねないので要注意です。
【デメリット解消法】
月に1回、少なくとも年に1回は2人で収入・貯蓄・生活費の詳細を報告し合うことでデメリットの解消を図ります。
(2)専業主婦が家計を管理
○専業主婦が家計を管理
働き手が忙しい場合にオススメです。
【家計管理の方法】
夫の収入を全て妻が管理して、夫は妻から小遣いをもらうようにします。
お互いの小遣いの使い方には、口を出さないのがうまくいくコツです。
【メリット】
1人が管理すれば、収入から生活費の詳細まで家計の全体像を把握できます。
【デメリット】
妻が主体なので、夫は家計に関心がなくなりがちで、妻がしっかりしている必要があります。
しっかり管理しないと貯蓄ゼロとなりかねないので要注意です。
【デメリット解消法】
月に1回、少なくとも年に1回は妻が夫に報告して2人で家計を共有することでデメリットの解消を図ります。
2.共働きのケース
(1)一方が生活費を負担(夫が負担の場合)
○一方が生活費を負担(夫が負担の場合)
収入に差がある場合にオススメです。
【家計管理の方法】
収入の多いほうがすべての生活費を出して、少ないほうは自分の収入を全て小遣いとして使ったり貯金したりします。
一方の収入のほとんどを貯蓄できるのでお金が貯まりやすくなります。
【メリット】
1人が管理すれば、家計の全体像を把握できます。
【デメリット】
収入が少ないほうは家計全体を把握できず、家計に関心がなくなりがちになり、また、お互いの貯蓄額が分かりにくくなります。
【デメリット解消法】
月2回、少なくとも年1に1回はお互いの貯蓄額を報告し合うことでデメリットの解消を図ります。
(2)別々の財布で管理
○別々の財布で管理
収入が同じ位の場合にオススメです。
なお、子どもができて妻の収入が減った場合、家計管理のタイプを見直しします。
【家計管理の方法】
夫が家賃、妻が食費などと生活費は分担を決め、小遣いや貯蓄はそれぞれで管理します。
【メリット】
自分で稼いだお金は各々、自由に使えます。
夫婦ともにしっかりしていればお金が貯まります。
【デメリット】
自分が担当しない生活費については分からない、生活費の無駄遣いを見逃しやすい、互いの貯蓄額が分かりにくいことが挙げられます。
【デメリット解消法】
生活費の収支と、それぞれの貯蓄額を月1回、少なくとも年1回は2人で確認することでデメリットの解消を図ります。
(3)共通の財布で管理
○共通の財布で管理
収入が同じ位の場合にオススメです。
【家計管理の方法】
夫、妻とともに自分の収入から生活費を家計口座(夫が妻どちらかの名義で作る)に入れて、小遣いや貯蓄は、それぞれで管理します。
【メリット】
生活費については夫婦で把握でき、自分で稼いだお金をそれぞれ自由に使えます。
また、お互いに貯蓄するため、お金が貯まりやすくなります。
【デメリット】
お互いの貯蓄額が分かりにくいことが挙げられます。
【デメリット解消法】
家計口座の支出はお互いにこまめに確認し、貯蓄額は定期的に報告し合うことでデメリットの解消を図ります。
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