FXは投資ではなくギャンブルであるという意見をよく見聞きしますが、実際のところどうなのでしょうか。FXは使い方次第で守りの投資にも危険なギャンブルにもなる投資であるといえます。
FXの魅力はなんといっても少額資金でスタートできる点にあります。少額の資金で多額の投資資金を動かせるところにFXの魅力があります。
FXは使い方次第で短期投資で資金をどんどん回転させていけば、資産が増やすことができますが、これは当然リスクのかなり高い投資方法になります。リスクを極力回避するためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
FXとは?
FXとは、Foreign eXchange の略で、直訳すれば「外国為替」の意味です。しかし、日本でFXと言えば、一般的には1998年に誕生した「外国為替証拠金取引」を指す言葉として使われています。
FXはFX会社や証券会社に証拠金を預けて、レバレッジという仕組みを利用して資金(証拠金)の数十倍(日本では最高25倍)の取引が可能で、米ドルやユーロなどの外国通貨を売り買いし、為替レートが動くことで利益や損失が発生する金融商品です。
FXではレバレッジを大きく掛けずに1倍(証拠金のまま)でも取引出来るので、外貨預金のような運用も可能です。たとえば、レバレッジを1倍にして、「1ドル=110円」のときに1,000ドルを11万円で買ったとします。
その後、円安で「1ドル=120円」になった場合、手持ちの1,000ドルは12万円に交換できるため、1万円の得です。逆に円高で「1ドル=100円」になったら、手持ちの1,000ドルは10万円にしかならず、1万円の損となります。(手数料は考慮していません。)
このように異なる2国間の通貨を取引して、為替レートの差が儲けにつながるしくみです。よくFXは「ハイリスク・ハイリターン商品」と言われますが、それはレバレッジを大きく掛けた場合にそのリスクも高くなるためにいわれています。
上記の例でレバレッジを10倍にした場合には、利益や損失がそれぞれ1万円ではなく10万円になります。
FXは競馬などより遥かに儲かる可能性が高い
FXではほとんどの会社が取引手数料が無料で、代わりにスプレッドと呼ばれる一種の手数料がかかりますが、競馬や競輪などのギャンブルにおける控除率(ある賭けにたいしてどれだけの手数料をとられるかを示す割合)が20~30%に比べると遥かに抑えられています。
競馬で儲けるのがかなり難しいのはやはり控除率が高いからであり、それと比較するとFXは手数料が安いため儲かる可能性が高いといえそうです。
FXは過去の為替レートのデータを分析したり、為替に関わる情報やニュースを分析して、その後の為替レートを予測し売買します。その予測を十分に行わないで単に勘だけで売買するとギャンブル化した取引となってしまいます。
しっかりと分析すれば必ず儲かるものではありませんが、分析を行わずに取引して、損をする人が後を絶たないため、FXはギャンブルだという悔し紛れの主張があふれているのです。
しかし、きちんと分析することにより儲かる可能性を高めることはできるのです。
FXのメリット・デメリット
1.FXのメリット
(1)手数料が安い
代表的な金融商品として「外貨預金」がありますが、実は外貨預金というのは顧客にとって大変不利な商品です。FX取引は、外貨預金などに比べて手数料が圧倒的に安いです。外貨預金では、購入・戻しの往復で1ドルにつき2円以上の手数料がかかります。
それに対して、FXの手数料は約10分の1以下で10銭~20銭程度の手数料で済みます。
(2)少額から始められる
機関投資家などの独壇場になっていたFX市場ですが、1998年の法改正によって外貨取引が自由化され、1万円~30万円程度の少額からでも取引を開始することができるようになりました。この敷居の低さもFXの魅力の一つです。
(3)平日なら24時間取引可能
FX取引は時間的拘束を受けず、インターネット環境があれば平日ならば24時間いつでもオンライン取引をすることができます。株式投資のような時間的拘束がないため、普段あまり時間のない人でも、自分の好きな時にFX取引を行うことができます。
(4)元手よりも多くの投資が可能
レバレッジをかけることにより、元手の金額よりも大きな額を扱うことが可能です。レバレッジにはリスクもありますが、その分プラスになった時の見返りも大きくなります。
(5)どの局面でも利益を得ることができる
外貨預金や外債などの商品の場合、円を売って、外貨を買うことになりますから、円安の局面にならないとプラスにすることはできません。
しかし、FXは外貨の売りから取引を開始することも可能なので、円高・円安に関わらず、運用のしかたによってどの局面でも利益を得ることができます。
2.FXのデメリット
(1)レバレッジによるリスク
FXのメリットとしても列挙したレバレッジですが、同時にデメリットにもなります。入金した資産以上の額を動かせるため、手持ちのお金以上の損害を受けることもあります。どんなに市場に精通したプロでもすべての取引で儲けを出すことはできません。
予想もしていなかった理由で相場が動くことはいくらでもあります。自分の思っていた方向と逆に相場が動いた時にどれぐらい損失が出るのか、きちんと把握する必要があります。
(2)世界情勢の影響を受けやすい
外為取引は、平日は24時間必ず世界のどこかの市場で動いており、それぞれの時間帯で参加する国も人も変わります。天災やテロ、戦争などによって予期しない為替変動が発生し、保持している通貨が暴落する危険があります。
株式投資ならば国内の出来事に影響を受けやすいですが、FXの場合は世界の市場が相手なので、世界中で起きるどんな出来事が為替に影響するのかがわからないというデメリットがあります。
(3)取引業者の倒産リスク
現在は法律で会社の財産と顧客から預かったお金を分離して管理しており、顧客から預かったお金は信託保全を請け負っている銀行から戻ってくるので安全性を確保してしています。
しかし、海外のFX会社は日本の法律の適用を受けないので、信託保全されていない場合がほとんどです。資産を預けてあるFX口座を運営する会社が倒産すると、預けた資産が返ってこない場合があるため、取引先の選定には注意が必要になります。
FXで勝つためのコツ
FXで大きく勝つことは難しいのですが、地道にコツコツと勝ちを積み上げる方法はあります。そのコツとは、証拠金に余裕を持つこととブレずに損切りを実行することです。
証拠金に余裕を持っていないと、追証やロスカットによる強制決済で次の取引が出来なくなるほど大きな痛手を被る可能性が高まりますので、これを回避するようにします。
証拠金に余裕を持たせるためには、少額で始めたり、適正な倍率のレバレッジで使用することが重要になります。
また、損切りについては、損失を少しでも出したくないという誰もが持つ心理が邪魔しがちですが、被害が大きくなる前に食い止めるという非常に大事な考え方です。
証拠金に余裕を持たせていても強制決済を避けるために証拠金を追加していたら、結局大損してしまったというのは本当に悲劇です。この2つのコツをしっかりと守って取引をしていたら勝つ可能性が高くなります。
口座開設から取引開始までの流れ
おおまかな流れは以下のようになります。
- FXの取引会社の選定
- 口座開設申し込み
- 本人確認書類の提出
- 審査
- 口座開設完了
- 証拠金振込後取引開始
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