長期投資で無理せず資産を増やす|物価上昇を見据えた投資とは?

投資のしかた

長期投資は数年間にわたって株式などの金融商品を保有し続ける投資手法のことをいいます。人生100年時代のマネープランにおいて長期投資は必要な手段です。

元本割れが怖いなどと抵抗感を抱く人もいるかもしれませんが、人生100年時代に取り組むべき投資とは、長期的な資産形成を目的とするリスクを抑えたものです。

物価上昇による影響

老後の生活で最も影響が心配されるインフレ、つまり物価の上昇です。消費者物価は2016年、生鮮食品を除く指数が4年ぶりに前年比でマイナスとなり、物価下落が続くデフレに戻るのではないかと心配されました。

生鮮食品を除いているので、天候不良で高騰した野菜などの影響は入っていません。それを差し引いても、物価が下がったという実感があまりないかもしれません。その理由は何でしょうか。

答えは「量」です。モノの値上げには、価格そのものを上げる方法と、価格を上げずに量を減らす「実質値上げ」があるのです。

2014年に消費税率が5%から8%に引き上げられた時、さまざまな商品が値上げされました。一部の商品は、リニューアルに合わせて量が減り、実質的な値上げとなりました。こうした状況は消費者物価指数に反映されません。統計と生活実感の間にギャップがあるのです。

2017年に入ってからは、消費者物価指数は上昇に転じました。「実質の」値上げだけでなく、「実際に」値上がりしたものも出てきています。老後の資産運用で、物価上昇を意識することがより必要になったといえるでしょう。

老後の生活の柱となる年金には「マクロ経済スライド」というしくみがあり、物価の上昇率ほど額が増えなくなっています。一定期間だけ利回りが優遇される退職金専用定期預金を除けば、定期預金は年0.01%、個人向け国債は0.05%という低い金利しか期待できません。

物価上昇率が0.1%だとしても、定期預金だけでは物価上昇に追いつかず、購買力が低下していくのです。

物価上昇を見据えた投資とは

政府と日本銀行は、デフレ脱却を目標にしています。物価は今後、緩やかに上昇していく可能性が高いでしょう。

定期預金や個人向け国債のように安全でも利回りが低い商品だけでなく、資産の一部を使って、比較的利回りが高い株式や投資信託などの投資を行う必要もあるでしょう。そうすることで、物価上昇による資産の目減りと購買力の低下を補うのです。

退職してから、投資の基本である長期投資を始めるのは難しいと思う人もいるでしょうが、十分に可能です。60歳で定年退職したとしましょう。現役時代に貯めたお金と退職金が、老後の年金を補完する役目を担います。

このお金を、翌年や5年以内といった短期間で使い切るのではなく、少しずつ取り崩していくことになるでしょう。定年退職時の総金融資産には、60代で使うお金から80~90代で使うお金までが含まれます。

80代以降に使うお金も含むと考えれば、60歳から運用を始めても、20年以上の長期投資を念頭に行うことになるのです。

○老後は物価上昇を念頭に運用

物価の上昇で、モノの値段が高くなると同じ金額で買えるモノが少なくなる。
➡ インフレになると資産が目減りする。

運用方法1 定期預金はリスクが低いが、金利も低く、物価上昇率を下回る可能性が高い 資産の目減りを補い切れない。
運用方法2 資産の一部を比較的利回りが高い株式や投資信託に投資する 資産の目減りを補える可能性がある。

 

長期投資で無理せず資産を増やす

資産を増やす方法としてオススメするのが長期投資です。それは長期投資が無理することなく資産を増やせるのが投資スタイルだからです。もちろん、長期投資だけが利益を上げる手段ではありません。

デイトレードなどの短期投資で稼いでいる人も大勢います。しかし、一日に何度も株価をチェックして売買することは難しく、落ち着いて生活することができません。

長期投資と短期投資どちらが有効的かというよく比較されますが、どちらにおいても利益をあげている人がいる以上、投資手法の有効性に振り回されるのではなく、自分の生活に合った投資手法を選び、無理のない範囲で継続して投資をすることが重要です。

その上で長期投資が適切であるといえそうです。

1.長期投資4つのメリット

生活に合った投資手法は大前提となりますが、長期投資のメリットはそれだけではありません。ここでは短期投資にはない長期投資のメリットがあります。

(1)複利の効果を得られる

複利の基本的なしくみをおさえておきましょう。100万円の元本を年5%の金利で運用すると、1年目に5万円の金利がもらえます。その金利は元本に上乗せされ、2年目は合計105万円から運用が始まります。

2年目にもらう金利は5万2500円に増え、それがさらに3年目の元本に上乗せされます。 これを繰り返すと、元利合計は10年で163万円、20年で265万円、30年で432万円と雪だるま式に増えていきます。

元利合計を1.05倍にするかけ算の繰り返しで、運用期間が長くなるほど増え方が大きくなります。一方、同じ金利5%でも金利が元本に上乗せされない単利運用は年5万円ずつの足し算ですから30年たっても元利合計は250万円にとどまります。

単利運用と複利運用を比較した場合、30年後の元利合計は複利運用の方が単利運用よりも182万円多い結果となります。

では、複利効果を生かすにはどんな方法があるのでしょうか。株式の場合、もらった配当金でその株式を買い増す「再投資」をすれば、その分だけ株数が増え、配当利回りを複利にすることができます。

行動経済学によると人間には長期の利益よりも目先の利益をより重くみる「双曲割引」という傾向があります。これを肝に銘じ、長期の視点で複利を味方につけることが資産運用では重要です。

(2)短期投資よりリスクをコントロールしやすい

マーケットは歴史的に見ると上昇傾向にありますが、短期的に見るとさまざまな要因に影響されて上下変動を繰り返していることが分かります。

短期的には、日々のニュース、経済指標の発表などに素早く反応したり、そのほかにも人為的には予測できないようなイベントに影響されてマーケットが一時的に変動することがあります。

このため短期的な投資は不確実性が高く、運用上においてもリスクが高くなるといえます。また、投資期間があまりに短いと、資金が必要なタイミングに市場価格が下がり、希望の金額が引き出せなくなってしまうようなリスクもあります。

一方で、長期投資では、長期的なマーケット観測に基づいて投資判断しますので、リスクをコントロールしながら、変動を抑えて運用を行うことができます。

(3)売買手数料や税金のコストが下がる

投資の際に発生する買付時や売却時の「売買手数料」や売却時に利益が出たときは「譲渡所得」、分配金で得た利益には「配当所得」と都度税金が課せられます。

デイトレードなどの短期投資の場合は、売買を頻繁に繰り返すため、手数料や税金が発生する回数も多くなりますが、長期投資の場合は長期間に渡って成果を見るため、短期投資ほど売買を行わず、結果的に手数料や税金が発生する回数も少なくなります。

(4)頻繁な値動きに左右されず精神的に楽

株価は毎日、毎時間、毎秒変化するものですが、長期投資の場合は、長期的に見たときに値上がりしていれば良いため、日々の値動きを気にしなくて済みます。短期的な値動きには投資家の心理的要因による値動きが多く、それらを都度把握することは至難の業です。

しかし、その時の投資家心理による値動きは一時的なもので、しばらく経つと正しい評価がされ、標準の株価に戻ります。長期投資はこのようなイレギュラーな要素を排除して考えることができるため、日々、頭を悩ませることがなくなります。

2.長期投資のデメリット

比較的安全に運用でき、値上がりも期待できるというメリットの方が大きいところですが、デメリットもしっかりと把握した上で、投資に臨む必要があります。

(1)短期間で利益が得られない

長期に渡って株価の推移をみて売買を行うため、実際に利益が得られるのは数年先になります。長期投資では購入した株が短期的に値上がりした場合でも、極端な値上がりでなければ保有することを選びます。

会社の成長を見込んでの投資であるため、利益が得られるのは数年先になることが多くあります。

(2)投資期間が長くなればなるほど予測が難しい

長期投資は企業の動向を見て投資することになります。企業の1年後の大まかな動向なら比較的予想しやすいのですが、5年、10年後の動向となると、予想することは非常に難しくなります。

(3)運用コストが大きくなる

投資信託で長期投資を行った場合は、保有しているだけでコストが発生します。実際の運用はファンドが行うため、「運用管理費」といった費用が毎日発生します。費用はファンドによって異なり、また、運用結果の良し悪しにかかわらず発生するため、運用益を期待できる商品を選定しないと、値上がり益はあっても収支がマイナスになることもあります。

(4)失敗すると資金、時間のロスが大きい

長期投資の場合、結果が分かるまでに時間がかかるため、最終的に損切りで終わると、その投資資金だけでなく、それまでの多くの時間が無駄になります。

たとえば、保有銘柄が値下がりしても「いつか上がるはず」と保有し続けて、10年経っても上がらずに終わった場合は、10年もの年月と資金を無駄にすることになります。

長期投資のメリット・デメリットを考慮して投資を行う

投資をする際には、今の生活・老後の生活を考えたときに無理のない投資手法を選ぶことが重要になります。無理をして途中で大損失を被ったり、生活のリズム的に苦しくなったりしては継続した投資は行なえません。

長期に渡り、安全に利益を得る人こそが、投資で成功した人といえます。目先の利益に囚われず、長期的な視点で投資を行いましょう。

☞ 無料保険相談の【保険コネクト】

将来お金の不安をなくすためにできることとは?

将来的にお金の不安をなくすには、貯蓄を増やすことも大切ですが、ただ、貯蓄を漫然と続けているだけでは、お金が貯まることはあっても増えることはありません。足し算だけではなかなか資産は増えません。

貯蓄を始めることはもちろん悪いことではないし、大切なことですが、お金持ちは積極的に投資を行っていることを肝に銘じておく必要があります。

超低金利の時代に、2%、3%の金融商品を探そうとすれば、投資信託や株式といった投資商品にならざるを得ないでしょう。投資をすることはお金を増やす上では避けては通れないものと認識する必要があります。

平均寿命が延びてくると、定年退職後の収入を年金と貯蓄に依存するだけは不安を抱えながら生活することになります。投資で資産を増やすことが必要になってきます。お金の不安を解消して、老後を安心して暮らしていくために投資などにぜひ挑戦してみてください。

○THEO+ [テオプラス] docomo

証券口座開設時の本人確認やマイナンバー登録などの手続きが不要で、dポイントクラブのアプリやWEBから簡単なステップで、dポイントを活用した投資体験ができます。

運用状況は、ポイント投資サービスサイトで投資信託の基準価額に連動した日々の増減を確認できます。また、運用中のポイントは、原則24時間365日、好きなタイミングでdポイントとして引き出すことができます。

☞ 資産運用なら【THEO+[テオプラス] docomo】 のページへ進む

○WealthNavi(ウェルスナビ)

ウェルスナビは世界水準の金融アルゴリズムを提供する、投資経験者に選ばれているロボアドバイザーです。手数料は1%のみで、国際分散投資を自動運用します。リスクを最小限に抑えます。

長期的な利益の最大化を目指すウェルスナビには以下のような3つの特徴があります。

  • リスク許容度に応じた自動メンテナンス
  • 国際分散投資で最適ポートフォリオ
  • 米ドル建てによる低コストのETFへの投資

フィンテック業界で大いに期待されているロボアドバイザーです。SBIグループとの業務提携発表、メガ三行のVCによる出資、ベンチャーコンテストでグランプリ受賞(RISING SUN EXPO 2016)。

☞ WealthNavi のページへ進む

○クラウドクレジット

クラウドクレジットが運営する「貸付型クラウドファンディング」は、「資産運用をしたい投資家」と「資金を必要とする企業」をインターネットを通じて結びつけるサービスです。

投資家が運営会社を介して資金を必要とする事業者へ資金を貸付け、分配金を受け取るという仕組みの新しい投資商品です。株や為替の市場に影響されないミドルリスクミドルリターンを狙える魅力的な投資方法です。

欧米を中心に急激に拡大している市場であり、日本でも近年伸長しています。貸付型クラウドファンディングは、新しい資産運用として、ここ数年で大きく資金流入が拡大している注目の投資市場です。主な特徴は海外の成長国へ投資でき、高い利回りの商品が多く、1万円から少額投資できることが挙げられます。

☞ 【クラウドクレジット】 のページへ進む

「投資」というと、難しく感じたり、損をする可能性があったりすることから、敬遠されることも少なからずありますが、その仕組みをきちんと理解して、リスクを最小限に抑えることができれば、決して危険なものではありません。

ここで紹介したもの以外にも資産を増やすのに適した方法があります。

興味のある人はこちらをご覧ください。

コメント